2024年12月18日 記 

CPUファンと動作速度について

今回はCPUファンと動作速度について、ちょっと記しておこうと思います。

私が使用しているメインPCのCPUはAMDのRyzen 9 9950X(AM5)です。 それに取り付けていたCPUファンは225Wでした。 今回、より強力なツインタワーのCPUファン265W(だったと思います)を購入して取り付けてみることにしました。

まずは今までのCPUファン(225W)と交換後のCPUファン(265W)の動作中の状態を記します。 使用しているマザーボードのBIOS設定で、CPUの動作モードとして「ゲームブースト」という設定ができるようになっています。 これはCPUのリミッターを解除して、動作可能な最高性能を発揮できるようなCPUモードのようです。

※CPUの温度表示として用いたのはCoreTempというソフトウェアを利用させて頂きました。
※下記の【電力】に関しては私の目視確認による参考値です。


●今までのCPUファンでの結果(CPUモード:ノーマル)
通常動作中温度   54℃前後
通常動作中最高温度 96℃
通常動作中最大電力 173W(CoreTempの表示値を目視確認)
●CPUファンを交換後の結果(CPUモード:ノーマル)
通常動作中温度   50℃前後
通常動作中最高温度 83℃
通常動作中最大電力 199.9W(CoreTempの表示値を目視確認)

通常動作中の温度が数℃下がり、最高温度も96℃ → 83℃になりました。



続いてCINEBENCH 2024によるベンチマークテスト結果です。 ただし、CPUファン交換前のベンチマークテストは行っていない(最初はホームページの記事にする気がなかった)ので、 こちらのページのベンチマークテスト結果を目安にしてください。

●CPUファン交換後のベンチマークテスト結果(CPUモード:ノーマル、いくつかのアプリを同時実行中)
GPU  17657pts
Multi  2027pts(CPU:200W未満)
Single  127pts(CPU:70℃、77W)
●CPUファン交換後のベンチマークテスト結果(CPUモード:ゲーム、いくつかのアプリを同時実行中)
GPU  18138pts(CPU:84℃)
Multi  2073pts(CPU:97℃、216.7W)
Single  127pts (CPU:72℃)
●CPUファン交換後のベンチマークテスト結果(CPUモード:ゲーム、不要なアプリは起動していない)
GPU  18755 (CPU:92℃)
Multi  2208pts (CPU:96℃、220.5W)
Single  128pts (CPU:68℃)

■以前行ったメインPCのベンチマークテスト結果(2024 CINEBENCHの実行結果
GPU  19170pts
Multi  1959pts
Single  110pts

※注意:私は通常、CPUモードはゲームブーストモードに変更して使用しています。


という結果になりました。

GPUの結果に関しては【以前行った結果】より【今回の結果】方がちょっと下がっています。 原因として考えられるのはインストールしているドライバーのバージョンが違うとか、 インストールした追加ソフトなどが影響している可能性がありますが詳細は不明です。 しかし、GPUのベンチマークテスト結果が下がっているにもかかわらず、 CPUのMultiとSingleのベンチマークテスト結果についてはそれぞれ10%以上の向上が見られました。


これらの結果から言えることは以下の通りです。
  1. Ryzen 9 9950X CPUの最高動作温度(正確にはCPUが壊れる可能性が高くなる手前くらいの温度なのだろうと思います)は100℃程度で、 その手前くらいでリミッターが掛かるようになっているような感じかな?と思います。

  2. CPUの動作モードがノーマルのときは電力のリミッターが200W、CPU温度のリミッターが100℃未満(実質97℃程度)で、 今までのCPUファンだと173W程度でそれくらいのCPU温度に到達していた模様です。

  3. CPUの動作モードがゲームブーストモードのときは電力に対するリミッターが解除されて、CPU温度のリミッターにのみ依存するようになるようです。 結果としてはCPU電力220W程度(CPU温度97℃)まで処理速度が向上し、ベンチマークテストの結果が10%以上向上している模様です。


Ryzen 9 9950X の仕様を見ますと、デフォルトTDP が170Wとありました。 ・・・ということで、デフォルト動作としては今まで取り付けていたCPUファンで十分であったと言えると思います。 それ以上のスペックのCPUファンを取り付ける理由としては2つあるかと思います。
  1. CPUの動作温度を下げることで長寿命を期待することができる。
  2. CPUのリミッターを解除して動作温度限界点まで高速処理させることができる。
ということです。 どちらの場合でもリミッターが正常に働いている状態であればCPUとしては問題なく、期待通りの動作をする(結果を得られる)でしょう。

CPUはこれ(9950X)とは違うかもしれませんが、 しばらく前に「ドライアイスか何かで強制冷却して7GHzくらいで動作した」みたいな記事(ニュース)を見かけたことがありました。 運が良ければ(高クロックにも耐えられるCPUを入手できれば)それくらいの速度で動作させることも可能なのかもしれませんね。




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